海が見える街 大磯町石神台

春の俳句 その3

今正に咲き誇っている桜🌸も、わずか数日で散って終わってしまうのかと思うと、その姿の裏にある種の翳りが潜んでいるとも感じられます。人の世もかくの如きものかと。
さて、春の俳句その3です。

 1、揚げ雲雀たちまち空の点となり
 2、うららかや新築の壁吊る重機
 3、窓庇鳥ちょんと跳ね目借時

– 俳句の背景 –
1、秦野二宮道路旧道で、中井町井ノ口周辺の広々とした畑地の中を、春の爽やかな風に誘われて夫と散策していると、目の前でいきなり上昇する鳥がいてびっくりしました。
これが雲雀(ひばり)かと分かりましたが、見るのは初めてでした。たちまち一直線に空に舞い上がり点となりました。雲雀はスズメ目ヒバリ科の留鳥で、雀より一廻り大きく茶色ですが、春の空高く舞い上がり、朗らかに「ピチュル」と鳴く声は、いかにも春らしさが感じられます。
別の日には、近くの遠藤原で高く飛んでいる上空から、急に落下するように飛んで来た落雲雀(おちひばり)を見かけました。絶対に探せないだろうと思いつつ、降りた場所の見当を付けて駆け回り、かなりの時間畑の中を探しましたが、残念ながら見つかりませんでした。
2、近くの散歩道の途中で、新築工事が始まりましたが、新しい建築工法とはこう云うものかと驚きました。クレーンが大きな壁面を吊り上げて、その下で職人がボルトを締めて組み立てて家が出来上がって行きます。今までの建築工法とは違い、工場で製作した部材を持って来て組み立てる工法で、大変面白いと思いました。
3、眠たくなる春の午後うつらうつらしていたら、我が家の窓の庇(ひさし)の上を、すずめがちょんちょん跳ねて、その音で目が覚めました。春の暖かさは眠気を誘います。
目借時(めかりどき)とは、とりわけ蛙(かわず)の声が聞こえる頃になると、うつらうつら眠たくなることから、俗に蛙に目を借りられるからと言い、「蛙の目借時(かわずのめかりどき)」と言った古風な俳諧味のある季語のひとつとです。
by  ポン子

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