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気ままに読書2 「嘘吹きパスワード」

今回、紹介するのは、「嘘吹きネットワーク」の続編、「嘘吹きパスワード」 久米絵美里著 PHP研究所 (2023年初版)です。

■書籍紹介(PHP出版より抜粋)
SNSの発達によって個人情報の管理が難しいこの時代。自分の情報を「守る力」と、相手が何者なのか「判断する力」の重要性が増しています。パスワード対策やハッキング能力の重要性に触れながら、嘘と自分の関係をめぐる物語。

■あらすじ
登場人物の理子(りこ)、錯(さく)、毬奈(まりな)は、前作の6年1組から中学1年に成長。ネットの情報に息を吹きかけ、その揺らぎによって対象が事実かどうかを見分けることができる特殊な能力を持つ錯。錯と同じ小学校出身で優等生タイプの理子とその親友の鞠奈が、夏休みの初日に錯のマンションを訪れるところから物語は始まる。そこへ、ネット犯罪に特化したホワイトハッカーであり、錯の「いとこ」と名乗る粋(すい)が現れる。錯と粋の特殊能力と理子と鞠奈の協力によってSNS上のトラブルを解決に導いていくのだが……。

■読後の感想
小野寺理子は中学生になって、前作より少し落ち着いた雰囲気で描かれています。ただし、会話の内容は中学1年生というより、高校生か大人ぐらいの話し方なので違和感は前作同様です。上から目線の解説的な文章を中学生の設定にすることで和らげているのかもしれません。
それはさておき、「リアルの自分とネットの自分のちがいはパスワード」というのがキーワードになっています。つまり、リアルの世界では、朝起きて自分が自分であることを証明するためにパスワードを入力するなんてことはしません。しかし、ネットの世界ではパスワードを知っているということが、自分であることの証明になっています。
ネット上での本人確認は、「知っている」「持っている」「所有している」などを組み合わせた多要素認証が基本になってきています。「知っている」の代表がパスワードです。「持っている」はスマホやIDカードなど。「所有している」は顔認証や指紋、虹彩などです。パスワードを覚えるのは面倒です。それでも今のところ他の手段ですべてのパスワードを置き換えるのは難しそうです。
パスワードは大事とわかっていても安易なものにしがちです。便利さと危険性を改めて考えさせられます。
(つづく)
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by 清兼