海が見える街 大磯町石神台

気ままに読書4 「宇宙を支配する定数」

今回、紹介するのは、「宇宙を支配する「定数」-万有引力定数から光速、プランク定数まで」 臼田 孝 著  講談社ブルーバックス (2022年初版)です。

二宮図書館所蔵

■内容紹介(講談社より抜粋)
 万有引力の法則から相対性理論、量子力学まで、宇宙の成り立ちを説明する物理法則には、必ず「固有の値」=物理定数が登場する。万有引力定数、光速、プランク定数など、根源的な自然法則に現れる「物理定数」をどのように測定して、決定してきたのかを紹介。

■読後感想
 かつて長さの単位の1mや重さの単位1kgは、メートル原器やキログラム原器が基準でした。それが今は、逆に光の速さの2億9979万2458分の1秒の間に進む距離を1mと再定義されました。原子時計による正確な1秒が開発されたことも大きく寄与しています。そして、重さについても、物理でおなじみのプランク定数から定義しなおされたということです。プランク定数は、光子1個のエネルギーと光の振動数を結びつける定数です。つまり、光子のエネルギーεは、振動数νに比例し、その比例定数がプランク定数です。
𝜀=ℎ𝜈
この式は、光子のエネルギーは強さ(明るさ)ではなく、振動数が高いほど大きいということです。普通の光よりも紫外線の方がダメージが大きいのはこのためです。そして、光のエネルギーEは光子の持つエネルギーの倍数の値のみを取り得るというのがプランクが発見した量子の性質です。
𝐸=𝑛ℎ𝜈
一方、有名なアインシュタインの特殊相対性理論から導かれた
𝐸=mc2
と結びつけると、プランク定数がわかれば質量を導き出すことができます。量子の世界のプランク定数が1kgの重さを定義しているとは驚きです。

さて、私達が住んでいるこの宇宙においては、なぜか光が最高速度です。そして、量子のエネルギーはプランク定数の飛び飛びの値しか取ることができません。なぜ、そうなのかは不思議ですが、これらの定数が定義されたことで、GPSなどの便利な生活が支えられているのは間違いありません。

(参考) 定数の覚え方 https://www.eee.kagoshima-u.ac.jp/~watanabe-lab/misc/物理定数181116.pdf
  真空中の光速(c) 憎くなく 二人寄れば いつもハッピー💛
  プランク定数(h) ロックンロールにロックを なお行こう、 マイ賛詞
  ボルツマン定数(k) 遺産はゼロです 無欲です、 マイ兄さん
  アボガドロ定数(NA) 群れつつ 人の世を眺む、 兄さん

(つづく)

過去の投稿はこちらから → 気ままに読書とパソコン
お問い合わせはこちらから → 自治会員専用お問合せ
by 清兼