海が見える街 大磯町石神台

ポン子さんの俳句 (2019-2020年)

ポン子さんの俳句 (2019-2020年)

2019年から2020年に投稿していただいた俳句を一覧にしました。
2021年に投稿していただいた俳句はこちら → ポン子さんの俳句 (2021年)

投稿日 季節 俳句 俳句の背景
2020.11.30 ビルの壁鏡面のごと冬日和 冬日和(ふゆびより)の晴れ渡った日は、冬でも日差しが眩しいものです。ビルのガラス壁が、鏡面のように光っています。最近の新しいビルは、鏡面のようになっているものが多いようです。ラスカ5階カフェの窓から見る前方の大きなビルの壁鏡面は、様々な景色を映しいろいろな物を見せてくれます。空、雲、建物など。季節によりその風景は美しく見えます。見る角度によっては、映し出されている建物などが、妙にゆがんで見えて面白いのです。
2020.11.30 重ね着の順を違へてやり直し 寒くなって来たので、重ね着をしていますが、着る順を間違えてやり直しをしました。年のせいでちょくちょく間違えるので、本当に全く困ります!!
2020.11.4 身に入むや副作用軽く見てゐしが 身に入む(みにしむ)は、もともと体に深く染み入るように感じることで、感覚的な響きが強い言葉です。秋のもののあわれや秋冷がしみじみと感じられることを言います。(角川歳時記より) 薬の副作用が強く出る方の私は、9種類の薬が駄目で避けています。そこへ長く飲んでいた薬の副作用で救急車で入院したことがあります。病院曰く、この薬では半数ぐらいの人が副作用発症で運ばれて来る。飲むべきでない薬100mgを5年間飲んでしまい、リハビリを含め3週間入院してしまったことが思い出されます。ゐしは、古語で居る(ゐる)の連用形です。
2020.11.4 臥せばまた形の変はる秋の雲 病に臥して横になれば、秋の雲の形も変わるものだなあ!
2020.11.4 ・秋晴や一人で歩くことの出来
・秋うらら退院の日を告げらるる
前出の入院した時に、リハビリが良く効いて退院出来た折の感想を基にしたものです。今は後遺症が何も残らず元気に過ごせています。リハビリの効果は素晴らしいですね。療法士の指示通りにすれば、元に戻るものです。副作用の出た医薬品名メモを持ち歩くと良いと医師に言われ、それ以来いつもバッグの中にメモを入れています。
2020.10.5 稔り田のモザイクめきて黄金色 富士山も真近に見える広々とした御殿場の山沿いの田園地帯を走る車窓から見かけた、風情のある風景です。豊に稔り熟した稲穂が、色彩鮮やかな黄金色に染まり、濃い黄色から薄い黄色までグラデイエーションを作って混ざり合い、まるでモザイク模様のように眼に焼き付きました。 なお、稔り田(みのりだ)とは、稲が熟した田のことで、刈り入れを待つ田の豊かさを感じさせます。(角川歳時記より)
2020.9.13 つと離れすぐ戻りくる赤蜻蛉 俳句は三つ子(3歳の子)に作らせろ(芭蕉の言)と言われています。新鮮なあっと驚くような気持ちを伝えてくれるのは3歳の子供のことが多いとのことです。くどくど言わずに、余分なことも言わず驚きを素直に表すのは、小さな子供だそうです。 句会に入会後、4ケ月の俳句です。赤蜻蛉がやって来て、すぐ目の前に止まりました。直ぐ離れてどこかに行ったかと思ったら、直ぐ同じ場所に戻って来てくれた時の一句です。考えてみれば、私は今でも3歳の頭だから、直ぐ感動して詠むのだなあ-と思いました。
2020.8.19 願ひ事又一つ増え墓洗ふ お墓参りの一句です。「叔母さんがお墓参りに来る時は、必ず気になることがある時よね」と母は従姉妹に良く言われていました。そう言えば、私も75年前に亡くなった父のお墓参りに行き、いつもあれこれとお願いごとをしていました。「早く病気が治るように!」等と。主人に言ったら、お父さんは神様扱いだねと笑っていました。神社、お寺にするのはともかくも、お墓にお願い事をするのはおかしいと!!
2020.8.19 燃え始めまづ人の字に大文字 箱根のお盆時の大文字焼きの俳句です。大文字とは、京都で行われるお盆行事の一つで、五山の送り火と言われています。(角川歳時記より) それに倣って、例年8月16日の夜、箱根の明星ケ岳の中腹で大文字焼きがあります。私が最近見たときには、早雲山の美術館が解放されて、真正面にクッキリと見えて風情がありました。その時の様子では、まず(これは口語のずですが、俳句の中のまづのづは文語です)燃え始めは、人の字だったような気が私にはしました。 尚、今年は新型コロナウイルス感染防止対応の為、箱根の大文字焼きは行われましたが、関連行事は全て中止になりました。(箱根町観光案内所のお話)
2020.8.4 コーヒーもて染めし日傘を差しにけり コーヒーもての「もて」は、文語で「で」の意味です。独身時代の日傘が古くなったので、淹れたコーヒーで染め、その傘を差して小田原に外出しました。とても素敵な色と柄に仕上がり、我ながら皆さんに自慢したい一品となりました。
2020.8.4 梅雨明けや鳶と眼が合ふビルの窓 梅雨がようやく明けて、平塚のラスカ5階のレストラン街に食事に行った時のことです。お気に入りのカフェで、窓から外の景色を見ながら食事をしていたら鳶(トンビ)が目の前に飛んで来て、バッチリ眼が合い、挨拶をしていったような雰囲気でした。大感激です。それ以来鳶に会うのが楽しみです。
2020.7.8 鉄塔も町も染めたり梅雨夕焼 梅雨の時に出る夕焼け(明日は晴れると予想されます)に、窓から見える空も少し赤く染まり 、鉄塔も町並みも浮き出るように、明るく光を浴びてほの赤く染まって見えた景色を詠んだものです。うっとうしい梅雨時ですが、少し景色が華やいで見える大好きな風景です。
2020.7.8 子燕のこぼせし蜂の動きけり 燕は初夏から七月にかけて、二度産卵し、子育てします。それぞれ一番子、二番子と呼びます。(角川歳時記より) 巣を観察していると、子燕が蜂を食べそこなって通路にポトリと落としてしまい、それがまだ動いていました。燕が蜂を針ごとひと飲みにして大丈夫かなと心配になりました。
2020.6.2 ががんぼやいと長き脚持て余し ががんぼは、糸状で長い触角と長い脚を持っている、ガガンボ科の昆虫の総称です。 蚊に似ていますが、それよりかなり大きいものです。夏の夕方、襖や障子に打ち当てながら、狂ったように飛びまわっています。人の肌を刺す虫ではありませんが、家の中で飛び回り、外に出してあげようと追いかけると、あちこちにぶつかり、すぐ脚がもげてしまいます。行方が分からず、翌朝に死んでいることが多いのです。
2020.6.2 新しきスリッパ下ろす梅雨の入り 梅雨が近ずくと誰しもうっとうしくなりますが、気持ちを紛らわしたくて真新しい綺麗な柄と色合いのスリッパをおろして見ました。少しは気持ちが晴れるようです。
2020.5.9 風薫る広告の無き大磯駅 風薫る5月、皐月となりました。大磯駅のプラットフォームで広告の無い風景を見渡して、気持ちがすごく良かったので、爽やかな風を胸一杯に吸い込んだものです。今日この頃では、新型コロナウイルスの感染が気になり、この5月の涼風を吸い込んだり出来ませんが。尚、「風薫る」とは、木々の深い緑の香りを運ぶ心地良い風のことです。(歳時記より)
2020.4.2 原発要らぬ数多の風車回る春 特急列車で銚子に近ずくと、右にも左にも低い丘陵地帯に再生可能エネルギーの巨大な発電風車が立ち並んで回っていました。2011年東日本大震災より早や9年になります。皆さんご存知のように、日本政府が「福島東電原発の状況は、コントロールされている 」と断言したことなどから、招致に成功した2020オリンピックが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、被害激増により来年に延期となりました。欧州を中心に、世界的に風力、潮力、太陽光パネルなどの再生可能エネルギーが、多くの国々で広がっている中、日本では原発に固執しすぎているように見受けます。銚子近辺の沢山の電力発電風車が全国的に増加すればと思います。東北地方にも多いようですね。
2020.4.2 春光や利根川は草餅の色 漁師の町、銚子の町中を歩いていると、そこかしこで川幅の広がった利根川のゆったりとした流れを見ることが出来ました。晴れた日には、利根川の色は、何と!ズバリ草餅の色合いで、キラキラしていました。その背後の対岸には、巨大な電力風車がゆったりと回転していました。
2020.3.12 箱根山に霞見ゆるや明日は雨 春は大気中の水分が増えることによって、空の色、山、谷など遠くのものが霞んで見えることがあります。天気は西側から変わるので、西方の箱根山連山を見て察知出来ます。
2020.3.12 斥候の蜂にすかさず水を掛く 水で濡れていない場所や、風の強くない場所を探して、巣を作る場所を決める斥候蜂がやってきたら、とにもかくにも素早く如雨露や水道ホースで水を掛けることです。これで、この辺りは危ないと思わせることが出来ます。斥候とは、最初に敵の様子を偵察することです。 ご近所に蜂の巣がまず出来て、我が家にも追っかけて、植木に6つの巣が出来たのを見つけ退治したことがあります。この時私自身2回も蜂に刺されたので、敏感になっています。本で対処法を調べ、水を掛けたら来なくなりました。
2020.2.8 猫柳針先ほどに小さき花 猫柳とは川べりに自生する柳の一種です。二月頃葉の出る前に、銀色の花穂をつけ、その艶のある毛は、まさに猫の毛を思わせてくれました。
2020.2.8 猫柳花穂に潜む紅の色 猫柳を見つめていたら、花の奥の方に紅い色が潜んでいるのが見えたものです。
2020.1.29 新年 冬木の芽一角獣の顔のごと 前庭に剪定を済ませた鬼クルミの冬木があります。その先端の芽を見たら動物のいかつい顔そっくりに見えて笑ってしまいました。
2020.1.29 新年 半世紀前のセーターほめらるる 50年前のお気に入りのセーターを全く久しぶりに着て平塚繁華街に出掛けたら、若い女性 から良く似合っていると褒められました。
2019.12.26 年末 年用意手抜き巧みになりにけり 毎年少しずつ分からないように手抜きをして来ましたが、今回子年のお正月は今まで死守して来ました黒豆をとうとう煮ないことに決定しました!尚、年用意とは新年を迎える為に、お料理、飾り物など色々整えることを指しています。
2019.12.2 幾重にも日矢を放つや冬の雲 何度も繰り返し雲の切れ間から、日の光が矢のように地上に降り注いでいる様子を、城山公園で見て感動して詠んだ句です。「幾重にも」は、何度も繰り返しての意味で、「日矢」は、降り注ぐ日光のことです。
2019.11.9 冬の雲二階にかかる箱根かな 箱根に遊びに行くと必ず立ち寄る富士屋箱根ホテルのカフェで目にした光景です。雲が低く垂れ、二階にかかっていてびっくりしたところです。
2019.11.4 米びつの渋柿崩れ米を染む 渋柿の渋抜きには、米櫃に入れておくと良いと聞いて試したのですが、取り出すのをすっかり忘れてしまい、気がついたら渋柿が崩れていました!
2019.10.7 ピアノ弾けば休止符の間を鉦叩 (かねたたき) ピアノを弾いて休止符に来ると、チンチンとかねたたきの虫の鳴き声が聞こえ、又次の休止符に鳴き声が。下手なピアノに合わせてくれたのしょうか、それとも単にずっと鳴いていたのでしょうか…
2019.10.7 頬かすめ水平飛行の蜻蛉かな 俳句を始めて4ヶ月目に作った句です。
2019.9.7 残暑 横縞の背を見せ小啄木鳥(こげら)幹回る ギーと鳴き背中に横縞模様がある小啄木鳥(こげら)は、全長約15cmとキツツキ科の中で最小です。石神台のお宅の庭で見かけて、感激して作った俳句です。
2019.9.7 残暑 刀豆(なたまめ)を蒔くやたちまち芽を出しぬ 一晩水に浸けた刀豆の種を鉢に蒔いたら、直ぐに芽が出て2mを超すほどに成長!今ではピンク色の花を咲かせています。
2019.9.7 残暑 秋蝶や逆しまのまま蜜を吸ふ 庭で、アゲハチョウが逆さまになりながらハーブの花蜜を一生懸命吸っている様子に驚き、作った俳句です。
2019.8.12 立秋 ・烏の口の半開きなる残暑かな
・もぎたての秋茄子の皮もの映す
・トンネルを抜け一面の秋桜
極暑の毎日ですが、たまには雨模様が待ち遠しいですね。立秋が過ぎ、秋になりました。
2019.7.28 ・四半日かけ蟻塚に運ぶ蟻
・仙人掌のピンクの花をリカー漬け
・空蝉のすがるや別の空蝉に
梅雨が明け、夏本番となりました。夏の俳句です。
2019.7.5 梅雨 つぶらなる目をして雨戸の守宮かな 守宮(やもり)は可愛いいですね。生き物をよーく見ると 面白くて可愛いです。 朝、家の雨戸を開けた時に見た光景を句にしてみました。
2019.6.13 梅雨 ・若き日の想ひははじけソーダ水
・熊蟬やUVカット念入りに
・お揃ひのリボン揺れたり夏帽子
いつの間にか梅雨入りしました。うっとおしい梅雨空を吹き飛ばす夏の俳句を三句お送りします。
2019.5.26 春夏 ・よろしくと張り紙駅のつばめの巣
・子燕の騒ぐが先に餌貰ふ
・子つばめや電線並び餌貰ひ
燕の姿がここの所あちこちで沢山見られるようになっております。 春から夏の句です。

戻る