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ポン子さんの俳句 (2021年)

ポン子さんの俳句 (2021年)

2021年に投稿していただいた俳句を一覧にしました。
2019年から2020年に投稿していただいた俳句はこちらから → ポン子さんの俳句 (2019-2020年)

投稿日 季節 俳句 俳句の背景
2021.12.23 ゴルフ場木の影長き冬至の日 平塚富士見カントリークラブの望洋亭のコーヒーがとても美味しく、お茶飲みに行っています。ある日、見慣れた遠くに紺碧の相模湾、眼下に緑一面の大磯丘陵の景色を眺めていてふっと気がつきました。綺麗な絨毯のようなグリーンの上に映る木の影がなんと長いことかと。気がつけば、一番昼時間が短いと言われている冬至の日でした。
2021.12.23 冬麗や鳶急降下鳩騒ぎ 冬のうららかな日でした。平塚駅ビルラスカの、お気にいりのカフェレストランでくつろいでいたら、大きなガラス窓から見えるビル街に、いきなり現れた大きな鳶が上空から急降下して、地上にいた鳩があたふたと逃げ惑っていました。 冬麗(とうれい)とは冬うららのことで、おだやかに晴れ渡り春の「麗(うららか)」を思わせるようなさまのことで、冬の日差しのまばゆさが恵みのように感じられる言葉です。(角川歳時記より)
2021.11.23 枝先に灯をともすやう冬木の芽 よくよく見てみると、枝先が赤く明かりが灯っているように、冬を迎えた冬木の芽が見えました。思わず間近に近づいてみたら、普通の木の芽でした。明らかに赤く灯っている感じがしたのです。きっと良いことが起きるようなそんな気がしました。
2021.11.23 酢牡蠣食べ味覚障害をさまりぬ 味覚障害が、また突然起きて慌ててしまいました。味覚障害は亜鉛不足が原因ですので、貝類を良く食べるとか、最強の手段は牡蠣(カキ)を食べるしかないなと思っていましたが、夫が牡蠣を好まないので、いつも恨めしく思っていました。今回は、同意を得て買って食べました。酢牡蛎にして食べましたが、そのなんと美味しかったこと!!お陰で味覚障害は治りました。これからは、随時食べれそうです。
2021.11.3 玄米食の初めは味見秋に入る 玄米食は身体に良いと聞いていましたが、初めは食感がなじめず、しばらく味見をしていました。 10年ぐらい前に、最初は白米に玄米を小さじ1杯混ぜることから始めて、以後少しずつ玄米の割合を増やして、5年ぐらい前の秋になってようやく玄米100%の完食が出来るようになりました。今ではほのかな甘みを味わい、非常に美味しくいただいています。
ビタミン類、イノシトール、γ-オリザノールなどを含む糠も一緒に取れるので、美容上も良いようで、アストリンゼン、乳液だけでお化粧もせず、しっとりお肌になっています。尚、咀嚼は胃に負担をかけないために、良く噛むようにしています。
2021.11.3 葛の葉を引き寄せ剪るもまた伸びぬ 家の前の土手に、葛の葉がはびこってきたので、できるだけ引き寄せて剪っているのですが、またずんずん伸びてきます。その生命力の強さに本当に驚いています。葛は、マメ科の大型つる性多年草で 、長さは10メートル以上にもなります。
2021.10.8 深緑のさざなみ寄する秋の湖 よく行っている箱根の芦ノ湖の様子です。深緑色のさざなみが寄せていて、びっくりした秋の湖(うみ)を想い浮かべて詠んだ俳句です。秋冷の頃に人込みを避けつつ、芦ノ湖や仙石原などの箱根に行きたいなあと思います。
2021.10.8 青松虫鳴き声耳につきてきぬ 足元で秘やかに鳴く虫は日本種、耳元の高い位置で派手に鳴くのは外来種と言われています。大声で鳴く声にちょっとうんざりです。
2021.10.8 道渡る蟷螂(とうろう)に手を貸しにけり 我が家の前の道路を、カマキリが渡っていて、早く渡らないと自動車に轢かれると思い渡してあげました。道路を渡る移動に付き添っていましたが、とうとうたまりかねて、つまんで道路反対側の草叢に移動させました。
2021.9.7 蟷螂(とうろう)の白き抜け殻玄関に 初秋の朝、蟷螂と呼ばれるカマキリの真っ白な抜け殻が、玄関の靴ふきマットに直立で立っていました。マットがザラザラしているので、抜け殻が倒れずに直立に立っている面白い光景でした。
2021.8.3 熊蝉や羽根の筋目の青緑 生まれ育った神奈川県から、遠く離れた結婚したての九州福岡県の地で、ご近所の並木で大型の蝉に良く出会って驚きました。よくよく観察してみると、素晴らしく立派な熊蝉でした。その後神奈川県に引っ越してだいぶ経ってから、あの熊蝉をまた観ることが出来るようになりました。この間年年気温が上昇し、九州でのような猛暑が、こちらでも当たり前になり、熊蝉もじりじりと九州から東日本に移動して来たのでしょう。また、その懐かしい熊蝉に会えるとは思ってもみませんでした。今やこちらの代表的な蝉になっているようです。その熊蝉の色合いをしげしげとみたら、青緑の筋目がある熊蝉でした。朝からその熊蝉がせわしなく鳴くと、今日はもう駄目か!!一日暑いだろうなと思うようになりました。
2021.8.3 片蔭の歩く虫どち踏まぬやう 片蔭は夏の季語で、炎天下建物や塀などに沿って、道の片側にくっきりとした日陰がよく出来ます。道行く人は暑さを避けて、その陰になった涼しい所を通ったり、そこで休んだりします。(角川歳時記より)
片蔭の中、歩く虫たちを踏みつぶさないように、気を付けて歩いていた光景の俳句です。
尚、「虫どち」とは古風な言い方で、「虫たち」の意味で、同志、仲間の意味合いがあります。
いつの間にか、8月7日が立秋で、6日までが夏の俳句となります。
2021.7.4 蛇の衣恭しくも床の間に 「蛇は表皮を脱皮して成長し、食べ物等の条件を満たせば、温暖な時期に数回脱皮し、その度に体は大きくなります。その抜け殻が草の中、垣根、石垣に残っているのを良く見かけます。」(俳句歳時記/角川文庫より)
1995年9月、朝のこと、庭の草に蛇の抜け殻が絡まっていました。初めは恐る恐るでしたが、良く見ると珍しく頭の先から尻尾まで全てあり、それはそれは美しいものでした。紙に丁寧に包んで箱にいれ、床の間に飾りました。それ以来、毎年防虫剤を入れてたら白味が増して透明感が際だち、素晴らしい物になって来ました。しかし、最近はやや黄ばんで、まるで麻の編み物のようになってきました。蛇の衣(きぬ)とは、蛇の殻をそう呼びます。もっと沢山あったら、私の衣にしたいと思います。否!ネックレスぐらいかな?
2021.6.5 画眉鳥の騒ぎいよいよ目覚めけり これは、画眉鳥(がびちょう)が夜明け前に鳴き始め、家人がすっかり目が覚めてしまったと言う内容です。この鳥の正体を知りたくて、箱根国立公園の、鳥、植物に詳しく、学芸員もいる箱根ビジターセンターに名前を聞きに行きましたが、結局分からず「中国から渡って来るのもいる」と言われました。たまたま、中井町井ノ口のゴルフ練習場で、その鳴き声が沢山聞こえたので、従業員に聞いたら、「ひよじ(?)ではないかと思う。ちゃんとした名前は知らないが、昔からそう呼ばれている。」とのことでした。ある日、まるでおしゃべりをしているような、透き通る声でかん高く鳴く鳥が、家の前の電線にいました。慌てて飛び出して見ると、まるで鳴くためだけに生まれて来たような姿で、べージュ色でお腹はぷっくりふくらんで卵形でした。目の周りに隈取りのように線が際立つていました。後日、信用金庫の情報誌「楽しいわが家」(2017年7月号、29pの紹介記事)で、「画眉鳥(がびちょう)」が紹介されていました。それによれば、「画眉鳥の美声が、最近「大音量」「騒音」と評され、七色の声を持つ森の小悪魔と表現されており、故郷は中国南部から東南アジアで、飼い鳥として輸入され、野生化したとのことです。七色の声とは、美声に加えて他の鳥(ウグイス、モズ、ホオジロ、オオルリ、蝉など)の鳴き声を真似する多さを言っているのでしょう。」
我が家では、うぐいすの鳴き声を聞いても、画眉鳥かな(?)と思ってしまいます。
2021.5.8 竹の子の石段の際生ひ出でぬ 竹の子が生えてきて、石段の際(きわ)にまるで先に行けないかのように、止まってしまい出ていました。生ひ(おい)出でぬは文語です。城山公園を歩いていたら、竹の子があちこちに頭を出していました。出て来た頭を踏まれひしゃげた竹の子もあり、8mぐらい離れたところに顔を出していたのもあり、ビックリしました。石段に行きてを阻まれて、直近に生えていたのもありました。面白い光景でした。
2021.5.8 竹皮を脱がず見上ぐる丈となる 竹の子が皮を付けたまま伸びて、見上げるほどの大きな丈になっていた光景のことです。普通は小さいうちに皮が剥けるのですが、皮が付いたままで面白かった。竹の子料理は、皆さんご存知のことですが、早速竹の子を買い求めて茹でて、竹の子ご飯にして大変美味しくいただきました。これで「冬の毒消し」になったかと思います。竹の子は、その「えぐみ」が他の山菜と同じように毒を消すと言われています。 尚、立夏(5月5日)より、立秋(8月6日)の前日までが、夏の扱いとなります。(角川歳時記より)
2021.4.4 揚げ雲雀たちまち空の点となり 秦野二宮道路旧道で、中井町井ノ口周辺の広々とした畑地の中を、春の爽やかな風に誘われて夫と散策していると、目の前でいきなり上昇する鳥がいてびっくりしました。
これが雲雀(ひばり)かと分かりましたが、見るのは初めてでした。たちまち一直線に空に舞い上がり点となりました。雲雀はスズメ目ヒバリ科の留鳥で、雀より一廻り大きく茶色ですが、春の空高く舞い上がり、朗らかに「ピチュル」と鳴く声は、いかにも春らしさが感じられます。
別の日には、近くの遠藤原で高く飛んでいる上空から、急に落下するように飛んで来た落雲雀(おちひばり)を見かけました。絶対に探せないだろうと思いつつ、降りた場所の見当を付けて駆け回り、かなりの時間畑の中を探しましたが、残念ながら見つかりませんでした。
2021.4.4 うららかや新築の壁吊る重機 近くの散歩道の途中で、新築工事が始まりましたが、新しい建築工法とはこう云うものかと驚きました。クレーンが大きな壁面を吊り上げて、その下で職人がボルトを締めて組み立てて家が出来上がって行きます。今までの建築工法とは違い、工場で製作した部材を持って来て組み立てる工法で、大変面白いと思いました。
2021.4.4 窓庇鳥ちょんと跳ね目借時 眠たくなる春の午後うつらうつらしていたら、我が家の窓の庇(ひさし)の上を、すずめがちょんちょん跳ねて、その音で目が覚めました。春の暖かさは眠気を誘います。
目借時(めかりどき)とは、とりわけ蛙(かわず)の声が聞こえる頃になると、うつらうつら眠たくなることから、俗に蛙に目を借りられるからと言い、「蛙の目借時(かわずのめかりどき)」と言った古風な俳諧味のある季語のひとつとです。
2021.3.4 胴噴きをはじめに開く桜かな 二宮町のビッグからセーユーにかけての、西側を流れる葛川沿いの桜並木を、毎年花見に行って気がつきました。今年の開花はもう直きですが、木の枝などの幹でなく、主幹の胴に直接蕾を付けて、最初に咲き始めるのに気がつきました。
2021.3.4 千鳥ヶ淵ボートに触るる花筏 桜の季節に、一度乗りたかった千鳥ヶ淵のボートに乗って漕いで、桜吹雪を眺め楽しみました。その時気がつくと、ボートの回りの水面にまるで筏(いかだ)のように花びらが寄って来たので、ボートに触れている水面の花筏に、そっと手を触れてみた時のことです。
2021.3.4 花吹雪夫と二人のバトミントン 東公園の桜が、花吹雪のように桜の花びらがが散っている中で、夫(つま)と二人でバトミントンをした時のことです。 花吹雪(はなふぶき)は、桜の花びらが風に乗って散るさまを吹雪に例えたものです。(角川歳時記より)
2021.2.4 忘れゐし球根の芽の伸びてをり 用具箱にしまいこんで忘れていた(文語:忘れゐし)、球根の芽が伸びていました。駄目で元々と植えたみたら、立派な花を咲かせて目を楽しませてくれる、オキザリスの一種でした。葉は紫色、花はピンク色の立派な鉢となり久しいです。
2021.2.4 春めくや花壇の幅を広げたる 寒さが少しは緩み、いかにも春らしく感じられて来たので、花壇の幅を広げました。さて、これから何を植えようか?
2021.2.4 野路子来る庭の仕事の控へめに 野路子(のじこ)は、ホオジロ科の仲間で、全体にグリーンがかっています。冬は南に去りますが、一部は日本南部に残るものもあり、鈴を振るような美声で鳴くと言われていますが、まだ聞けていません。
2021.1.6 新年 奉安の大注連飾の碧きこと 六所神社のお社に奉安(安置し奉ること)された大注連飾(大しめなわ)が新調された時は、それは大きく立派でした。大きな注連縄の色が立派な碧(あお)き色(緑色がかった青色)で素晴らしかったので、大変感動して詠んだものです。 六所神社に伺ったところ、社殿を新しくした平成元年から5年毎に、この大注連縄を更新することにしており、とても大きいので、社殿に掛けるのになんと男6人がかりとのことです。作製は、祭神の櫛稲田姫命の故郷である出雲地方に御願いしており、稲わらを使った出雲由来の、これほどの大きさの物は関東には余りなく、又古い注連飾りは出雲地方で山で燃やして土に返してしまうそうです。次回の更新は令和5年とのことです。

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