海が見える街 大磯町石神台

石神台下の古墳

 石神台三丁目の東端とJRの間に、広い畑地があります。その畑の中に遺跡がありますので紹介します。大磯町No86遺跡の名前があります。近くを通る駅に通じる道を利用する方も多いと思いますが、やや小ぶりなので気づいていない方もおられるかも知れません。

 大磯町と東海大学の調査の結果の概要です。詳細はリンクのPDFをご覧ください。

  • 南北十五メートル、東西六メートルほどの盛り土が依存し、羨道・墓前域を残す。
  • 主軸方向は、ほぼ南北方向
  • 墳丘規模が十五メートル強の円墳と思われる。
  • 石室はおそらく横穴式石室で平面形態は、おそらく無袖の撥型を呈す。
  • 年代は七世紀後半か。

「古墳から刀を掘り出したが、怖くなって戻した。」伝えも残ります。

次の画像のように、鷹取山が良く見える位置にあり、意識したものと思われます。ところが方角は南北に向いています。崇神天皇時代創建とされる、近くの六所神社を意識した方角ではないので、時代は崇神天皇時代(西暦350年頃)以前の可能性があります。個人的な見解です。

良く観察すると報告書のように、南側に低い撥型の裾が一部残っているようにも見えます。墳丘部に対し低い撥型の前方後円墳は、古墳前期に多い形です。

基底の大石が露出していますが、その大石より上部に小形の石が葺かれているのが観察できます。この方式は古墳時代前期前葉から見られます。遅くなると基底石は無くなります。甕が露出しています。上部の土がかなり流れ出ていることが分かります。

 表示や保護が必要かと思いますが、個人の所有地であることと、土の流出により原形が分からなくなっていて保存すべきかの判断になっているようです。umimie

鷹取山を意識した古墳

大磯町No86遺跡(高塚古墳)の測量調査報告

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